有害大気汚染物質の排出抑制等

更新日

このページでは、大気汚染防止法に基づく指定物質(ベンゼン等3物質)の排出抑制と、特定物質(アンモニア等28物質)に係る事故時の措置について御案内しています。

(環境確保条例に基づく有害ガスの規制はこちら)

指定物質抑制基準

大気汚染防止法では、人の健康に係る被害を防止するため早急に排出を抑制しなければならない有害大気汚染物質(指定物質)を排出する施設(指定物質排出施設)を定め、排出抑制に関する基準(指定物質抑制基準)を環境大臣が定めて公表するものとされています(附則第9条)。

指定物質排出施設については、届出や排出ガスの測定等の義務はありませんが、事業者は大気中への排出の状況を把握し、抑制するために必要な措置を講じなければなりません。
また、都道府県知事は、必要に応じて排出抑制について勧告したり、報告を求めることができます。

指定物質の種類

現在は、次の3物質が指定物質になっています。

  • ベンゼン
  • トリクロロエチレン
  • テトラクロロエチレン

大気汚染防止法施行令附則3(外部サイト)

指定物質排出施設の種類と抑制基準

大気汚染防止法施行令別表第6(指定物質排出施設)(外部サイト)

平成9年環境庁告示5号(新設施設に係る抑制基準)(外部サイト)

平成9年環境庁告示6号(既設施設に係る抑制基準)(外部サイト)

(1)ベンゼン

施設の種類 規模要件 抑制基準
1 溶媒として使用したベンゼンを蒸発させるための乾燥施設 送風機の送風能力が毎時1000立方メートル以上 排出ガス量が毎時1000立方メートル以上3000立方メートル未満 新設:100
既設:200
排出ガス量が毎時3000立方メートル以上 新設:50
既設:100
2 コークス炉 原料の処理能力が毎時20トン以上 新設:100
既設:200
3 溶媒として使用したベンゼンの回収に用いる蒸留施設(常圧蒸留施設を除く) 排出ガス量が毎時1000立方メートル以上 新設:100
既設:200
4 ベンゼンの製造に用いる脱アルキル反応施設(密閉式のもの、排出ガスをフレアスタックで処理するものを除く) (規模に係る要件なし) 新設:50
既設:100
5 ベンゼンの貯蔵タンク(浮屋根式・内部浮屋根式のものを除く) 容量が1000キロリットル以上 新設:600
既設:1500
容量が500キロリットル以上1000キロリットル未満 新設:600
既設:基準なし
6 ベンゼンを原料として使用する反応施設(密閉式のもの、排出ガスをフレアスタックで処理するものを除く) ベンゼンの処理能力が毎時1トン以上 排出ガス量が毎時1000立方メートル以上3000立方メートル未満 新設:100
既設:200
排出ガス量が毎時3000立方メートル以上 新設:50
既設:100
※抑制基準の単位は、排出ガス1立方メートル(標準状態)当たりの指定物質の量(ミリグラム)
  • 平成9年4月2日以降に設置の工事に着手した施設は新設の抑制基準を、その他の施設には既設の抑制基準をそれぞれ適用する。
  • コークス炉(第2号)に係る抑制基準は、装炭時の装炭口からの排出ガスで装炭車集じん機の排出口から排出されるものに含まれるベンゼンの量とする。
  • 既設のコークス炉(第2号)のうち、開底式たて型のもの、装炭車に集じん機及び煙突を設置するものについては基準を適用しない。
  • 貯蔵タンク(第5号)に係る抑制基準は、ベンゼンの注入時の排出ガスに含まれるベンゼンの量とする。
  • 表中のベンゼンは、濃度が体積百分率60パーセント以上のものに限る。

(2)トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレン

施設の種類 規模要件 抑制基準
7 溶媒として使用した、トリクロロエチレン又はテトラクロロエチレン(以下「トリクロロエチレン等」という。)を蒸発させるための乾燥施設 送風機の送風能力が毎時1000立方メートル以上 新設:300
既設:500
8 トリクロロエチレン等の混合施設のうちトリクロロエチレン等を溶媒として使用するもの(密閉式のものを除く。) 混合槽の容量が5キロリットル以上 新設:300
既設:500
9 トリクロロエチレン等の精製、又は原料として使用したトリクロロエチレン等の回収に用いる蒸留施設(密閉式のものを除く) (規模に係る要件なし) 新設:150
既設:300
10 トリクロロエチレン等による洗浄施設(テトラクロロエチレンによるドライクリーニング機を除く) トリクロロエチレン等が空気に接する面の面積が3平方メートル以上 新設:300
既設:500
11 テトラクロロエチレンによるドライクリーニング機(密閉式のものを除く) 処理能力が1回当たり30キログラム以上 新設:300
既設:500
※抑制基準の単位は、排出ガス1立方メートル(標準状態)当たりの指定物質の量(ミリグラム)
  • 平成9年4月2日以降に設置の工事に着手した施設は新設の抑制基準を、その他の施設には既設の抑制基準をそれぞれ適用する。
  • 抑制基準は、トリクロロエチレンに係る施設にあってはトリクロロエチレンの濃度、テトラクロロエチレンに係る施設にあってはテトラクロロエチレンの濃度にそれぞれ適用される。

事故時の措置

大気汚染防止法では、物の合成、分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち政令で定めるもの(特定物質)を発生する施設について、事故時の措置を定めています。

ばい煙発生施設に該当しない施設の場合、設置等の届出は必要ありませんが、施設の故障、破損その他の事故が発生し、特定物質が大気中に多量に排出されたときは、直ちに応急措置を講じ、速やかに事故の復旧に努めなければなりません。また、直ちに、事故の状況を知事に通報しなければなりません。

事故時の措置(通報等)

記事ID:021-001-20231206-008625