低VOC塗装における用語解説

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用語解説

事例紹介で使われている用語を解説します。

VOC削減率 従来型の塗装仕様と比較して、塗装の際に発生するVOC量がどれだけ低減しているかの割合。
VOC削減率(%)
=(低VOC塗装仕様により削減したVOC量/従来仕様のVOC量)×100
ここでは、主に各事業者が従来用いていた塗装仕様と比較した削減率を表記している。(*一部、東京都VOC対策ガイド(屋外塗装編)掲載の従来仕様と比較)
弱溶剤形塗料 トルエン、キシレンなどに代えて、光化学反応性の低い有機溶剤を主成分とした、環境に配慮した塗料。
ハイソリッド塗料 通常の塗料よりも不揮発性成分の含有率が高い(=揮発性成分の含有率が低い)塗料(不揮発性成分の割合が70%以上とされている)。
水性塗料 塗料を希釈する際に、シンナーなどの有機溶剤の代わりに水で薄めることのできる塗料。
無機質塗料 溶剤をほとんど含有せず、シリコン系の樹脂と無機の顔料を主成分としている塗料。空気中の湿気によって塗膜が硬化するタイプなどがある。
光触媒防汚塗料 光触媒(光があたると化学反応を促進する物質)の技術を用いて、有機化合物や細菌などを除去し、汚れを防ぐ機能を付加した塗料。代表的な物質として酸化チタンがある。
ウレタン樹脂仕様 ポリウレタン樹脂を主剤とした塗料を用いた仕様。対候性、耐水性、耐薬品性に優れており、比較的厳しい腐食環境に適用されることが多い。
ECO1仕様 (財)鉄道総合技術研究所が発行した「鋼構造物塗装設計施工指針 」に掲載されている低VOC塗装仕様。中塗り・上塗り塗料に水性塗料を用いて、大幅に環境負荷を低減。
参考資料
東京都VOC対策ガイド
(屋外塗装編)
東京都環境局
2006年
素地面別に適用可能な低VOC塗装仕様の一覧を示し、塗料名、シンナー、塗装方法、耐久性、費用、単位面積当たりのVOC発生量などの面から、塗装仕様を選択できるように情報を整理。塗装工事の発注者などが、本ガイドを参照することにより、VOCの排出量を把握し、VOC排出抑制のための塗装仕様を選択できるよう支援することを目的としている。
鋼構造物塗装設計施工指針
(財)鉄道総合技術研究所
2005年
鋼橋などの鋼構造物の維持管理や,鋼鉄道橋防食塗装の技術マニュアルとして活用されている。 塗装設計、新設構造物に関する塗装仕様・塗装施工・管理・検査、既設塗装構造物に関する塗装仕様、塗替え時期の判定法、塗装施工、管理・検査について、記載されている。
2005年に改定され、環境負荷低減型の塗装系などが加わった。
鋼道路橋塗装・防食便覧
(社)日本道路協会
2005年
鋼道路橋の防食全般に関する手引。代表的な防食技術である塗装、耐候性鋼材、溶融亜鉛めっき、金属溶射を中心に最新の技術資料を取りまとめ、基本的な防食原理から設計、施工、維持管理まで幅広い内容を記述する。「鋼道路橋塗装便覧」の内容を見直すとともに、鋼道路橋に用いることのできる塗装以外の防食技術についても記述。
記事ID:021-001-20231206-009326