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家庭用焼却炉からのダイオキシン類の生成について

ページ番号:709-220-662

更新日:2018年7月30日

こちらのページは、平成12年2月14日に、東京都環境科学研究所 応用研究部(当時)が公表したものです。

家庭用焼却炉からのダイオキシン類の生成について
 東京都環境科学研究所では、ダイオキシン類の削減対策を進めるため、平成9年度から平成11年 度にかけて、家庭用焼却炉からのダイオキシン類の排出状況調査を実施した。
 具体的には、一般家庭用焼却炉を用い、各焼却対象物(紙、枯れ葉、材木、塩化ビニルなど)を焼 却し、排ガス中及び焼却灰中のダイオキシン類濃度から、ダイオキシンの生成要因等を検討した。

1.調査期間

  第1回 平成10年1月~3月
  第2回 平成10年12月~平成11年4月
  第3回 平成11年9月~11月

2.焼却炉の特徴

  内容積 80リットル 火格子面積 0.13平方m 炉内温度 400~600℃

3.主な実験結果

1)排ガス中のダイオキシン類濃度

 排ガス中のダイオキシン類濃度は、材木、ベニヤ板からは1ng-TEQ/立方mN程度以
下であり、紙類については、0.85~4.4ng-TEQ/立方mN の値を示した。寒ツバキ、ケヤキ、スダジイ、シラカシの葉の焼却時の排ガス中のダイオキシン類濃度は、1.2~26ng-TEQ/立方mN 程度であった。
それに対し、材木に塩化ビニルを0.1~5.0%混入し焼却した場合の排ガス中のダイオキシン類濃度は、塩化ビニルの混入率が大きくなるにつれて増加し(相関係数 0.875)、約1%の混入率で200ng-TEQ/立方mN、約5%の混入率で1000ng-TEQ/立方mN程度と非常に高い値となった。(図1参照)

2)焼却灰中のダイオキシン類濃度

 排ガス中のダイオキシン類濃度と同様に、焼却灰中のダイオキシン類濃度も塩化ビニルの混入率との相関が高かったが、ダイオキシン類総量としては排ガスより低い値であった。(図2参照)

3)焼却物のダイオキシン発生量の原単位

 焼却物の1g当たりのダイオキシン類発生量(原単位)を計算すると、他の焼却物に比べ塩化ビニルが圧倒的に高く、1g当たり140ng-TEQ のダイオキシン類を排出していた。(表1参照)

4)枯れ葉焼却時のダイオキシン類の挙動

 今回の実験結果からは、多くの枯れ葉は焼却時にダイオキシン類の発生は少ないものと推測される。葉中塩素濃度の高いケヤキは、排ガスダイオキシン濃度が他の枯れ葉に比べ、幾分高い値を示した。

調査内容

1.調査目的

 ダイオキシン発生量の中でも大きな寄与率を持つごみ焼却炉については膨大な調査がなされてきたが、ほとんどが規模の大きな炉であり、家庭用焼却炉のように極小規模の焼却炉についてはデータがきわめて少ないのが現状である。家庭用焼却炉については個々のダイオキシン発生量は少ないとみられるが、数が多いため、必ずしも無視できる状況ではないと考えられる。本研究は、家庭用  焼却炉におけるダイオキシン類の発生実態を把握するとともに、ダイオキシンの発生要因を明らかにすることを目的に実施した。

2.焼却方法

 約10~20Kgの燃焼対象物を焼却炉で約3~5時間かけ焼却した。
おおよそ3~10分間隔で適当量を焼却炉に投入した。

3.分析方法

 ダイオキシン類:厚生省「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準分析マニュアル」による。
 コプラナーPCB:環境庁「ダイオキシン類に係わる底質調査暫定マニュアル」による。
 ダスト:JIS Z8808 円筒濾紙法
 窒素酸化物:化学発光法
 塩化水素:イオンクロマトグラフ法
 一酸化炭素、二酸化炭素:赤外線吸収法
 酸素:磁気式
 温度:熱電対法
 枯れ葉中の塩素:蛍光X線法及びイオンクロマトグラフ法

4.焼却対象物

 紙 再生紙(雑誌)コート紙 広告紙
 材木 杉材 (径3×4×40cmの角材)
 葉 ケヤキ、スダジイ、シラカシの枯れ葉、寒ツバキ(枝付き)
 ベニヤ板 市販品
 塩化ビニル 建築用硬質塩化ビニル(波板)3×10cm程度に裁断し、材木に挟んだ
 非塩化ビニル ポリエチレンフィルム

5.その他

 1) 今回の調査におけるダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーPCBを含んだものである。
 2) 今回の調査で用いた毒性等価係数(TEF)はWHOが1998年に発表したものである。

図1 排ガスダイオキシン類濃度に及ぼす塩化ビニルの影響(ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。 画像 (PDF:270KB)

図2 焼却灰ダイオキシン類濃度に及ぼす塩化ビニルの影響(ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。 画像 (PDF:236KB)

               表1 ダイオキシン類発生量の原単位
焼却対象物排ガス ng-TEQ/g焼却灰 pg-TEQ/g

単一
焼却
対象物


材木
枯葉ケヤキ
〃スダジイ
〃シラカシ
塩化ビニル

0.017
0.0019
0.17
0.015
0.0074
140

0.0021
0.0037
0.28
0.26
0.90
10

混合物 A0.280.63
混合物 B 5.611

注) 混合物Aとは  紙(49%)+葉(49%)+ポリエチレン(2%)
   混合物Bとは  紙(50%)+葉(46%)+ポリエチレン(2%)+塩ビ(2%)

参考

1.用語の解説

ng(ナノグラム)及びpg(ピコグラム):
 1g(グラム)の1000分の1が1mg(ミリグラム)
 1mg(ミリグラム)の1000分の1が1μg(マイクログラム)
 1μg(マイクログラム)の1000分の1が1ng(ナノグラム)
 1ng(ナノグラム)の1000分の1が1pg(ピコグラム)
 したがって1ngは1gの10億分の1である、
 1pgは1gの1兆分の1である。
TEQ(毒性等量):
 ダイオキシン類には多くの異性体が存在し、それぞれの異性体は人間に及ぼす毒性の影響の程度が異なる。そのため、各異性体について最も毒性が強い2,3,7,8TCDD の毒性に合わせて、重み付けがなされている。今回の実験ではその係数は1997年に WHOが出した値を用いて計算した。
立方mN(ノルマル立方メートル):
 標準状態に換算したときの容積(立方m)。標準状態とは0℃、1気圧の状態をいう。

2.身の回りにあるもので含塩素プラスチック製である可能性のあるもの

 タマゴパック 苺パック ラップ テーブルクロス ビニール傘 炊事用手袋
 水道管 消しゴム 定規 筆箱 散水ホース スリッパ 電線コード 各種玩具
 ビニルテープ 各種食器類冷蔵庫用パッキング 農業用フィルム 雨どい
 サドル等自転車部品 カード類 画材各種 等

3.我が国におけるプラスチック生産量(1998) 単位 トン

種類塩化ビニル塩化ビニリデンその他のプラスチック合計
生産量2,457,21962,16511,377,90013,897,284
割合 %17.70.481.9100

4.ダイオキシン特別措置法における排出基準値 単位 ng-TEQ/m3N

 処理能力
4t/h以上2t/h以上,4t/h未満50Kg/h以上,2t/h未満
新設0.115
既設~平成14年11月80
平成14年12月~1510

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