持続可能な土壌汚染対策の促進

更新日

「環境・経済・社会に配慮した持続可能な土壌汚染対策ガイドブック」を発行しました。

東京都では「東京都環境基本計画(平成28年3月)」において、環境面・経済面・社会面にも配慮した土壌汚染対策を推進することを目標としております。
このガイドブックは、土壌汚染がある土地において開発事業、解体・建築事業や土地の売買等を検討している皆様に向けて、「環境・経済・社会」の各側面への負荷を考慮し、関係者間で調整しながら必要な対策を講じた上で、土壌汚染のある土地を適切に利活用するためのポイントを、分かりやすく示すことを目的に作成しました。

持続可能な土壌汚染ガイドブック

〈ガイドブックの内容〉

1)解説編
 持続可能な土壌汚染対策のためのポイント
  土壌の3R(Reduce、Reuse、Remediation)
  関係者間のコミュニケーション
 操業中からの対策の促進
  操業中からの土壌汚染調査・対策実施の重要性を解説
2)事例集
 具体的な対策を様々な事例を用いて紹介
  措置が不要な土地における事例 8例
  措置が必要な土地における事例 4例

ガイドブックの内容

(2024年3月更新)

GR・SRとは

GR(Green Remediation:グリーン・レメディエーション)
 土壌汚染に伴う人の健康リスクや生態リスクだけではなく、土壌汚染対策自体に伴い発生する外部環境影響負荷を考え、さらにそれを低減するための取組みのこと。外部環境負荷の指標としては、CO2等の排出、ガソリン等のエネルギー消費などが用いられる。

SR(Sustainable Remediation:サスティナブル・レメディエーション)
 環境面だけでなく、社会及び経済的側面も統合的に考慮し、最適で合理的な土壌汚染対策を選定する土壌・地下水汚染対策の新しい取組。社会的な要素(地域住民や労働者の人の健康影響、事故等の安全性、地域コミュティへの影響)、経済的な要素(直接コスト、間接コスト、残存する経済的なリスク)等を含めて評価対象としている。

<GR・SRイメージ(東京都環境基本計画2016より)>

都のGR評価ツール

 欧米を中心に、土壌汚染対策における環境負荷低減の動き(GR)や環境面だけでなく社会面・経済面も考慮した土壌汚染対策の意思決定の動き(SR)への取組が進められてます。このようなGR・SRの考え方を国内にも取り入れるべく、東京都が率先して検討会を設置し、産総研の技術協力を得た上で、土壌汚染対策の環境負荷について検討しました。検討の結果、土壌汚染対策における環境負荷定量評価手法ガイドライン及び複数の環境負荷を容易に定量評価できるツール(以下「都評価ツール」)を作成しましたので、是非ご利用ください。

土壌汚染対策における環境負荷定量評価手法検討会報告書 (平成27年3月)(PDF:772KB)
本検討会の提言を受け、環境負荷評価手法ガイドラインを作成しました。
土壌汚染対策における環境負荷定量評価手法ガイドライン(PDF:3,474KB)

 都評価ツールは、土壌汚染対策の施工業者の方々はもちろんのこと、学識経験者やコンサルタント、土壌汚染が見つかった土地の周辺住民の方々、環境に配慮した土壌汚染対策の推進にご賛同いただけるNGO/NPO の方々など、幅広い方々に活用して頂きたいと考えております。詳細は、都評価ツール入力マニュアルをご覧ください。
《活用場面例》
① 施工業者が環境に配慮した土壌汚染対策工事を選択する
② 土壌汚染対策工事の説明会等で事業者と住民の対話に活用

都評価ツール(エクセル:8,283KB)
都評価ツール入力マニュアル(PDF:814KB)

記事ID:021-001-20231206-008681