ディーゼル車排出ガスによる健康影響

現在、様々な調査研究により、ディーゼル車から排出される大気汚染物質と健康被害との間に何らかの関係があることがわかってきています。


ディーゼル排気微粒子

窒素酸化物(NOx)
物を燃やす時、空気中の窒素や燃料中の窒素が空気中の酸素と高温で反応すると、窒素酸化物となります。自動車、なかでもディーゼル自動車から多く排出されますが、工場、事業場からも排出されます。刺激性があり、窒素酸化物の汚染がひどい地域で生活していると呼吸器障害を起こすといわれています。水に溶けると硝酸や亜硝酸となり、酸性雨の原因物質の一つになります。

浮遊粒子状物質(SPM)
大気中に浮遊している微粒子で粒径が10μm(1μm=0.001mm)以下のものをいいます。ディーゼル自動車から比較的多く排出されますが、工場や事業場からも排出されます。また、自然界でも発生します。浮遊粒子状物質の汚染がひどい地域で生活していると、呼吸器に沈着して慢性呼吸器疾患を引き起こすほか、微粒子に含まれる有害物質によるさまざまな影響が懸念されています。

炭化水素(HC)
オキシダントとは酸化性物質と言う意味で、光化学オキシダントの大部分がオゾンです。空気中の窒素酸化物や炭化水素などが太陽からの紫外線を受けて、光化学反応を起こして生成されます。光化学スモッグの原因物質となり、濃度が高くなると眼、喉などの痛みを引き起こします。また、植物にも被害を与えます。

特に、ディーゼル車排出ガスに含まれる浮遊粒子状物質は、肺がんや呼吸器系疾患など健康への悪影響が強く懸念されているほか、花粉症との関連も指摘されています。平成9年4月の環境庁(現環境省)の調査報告によると、二酸化窒素の高濃度発症地域とぜんそく症状の発生割合に相関関係が見られ、またある研究結果からは、ディーゼル車排出ガスを吸い込んだマウスに精子生産能力の低下などいわゆる環境ホルモンの影響が見られました。

右の画像をご覧ください。知事がディーゼル車対策の必要性を説明する際によく振っているディーゼル黒煙(すす)入りのペットボトルです。右のペットボトルの中には、平均的な大型ディーゼル車トラック(車両総重量20トン、最大積載量10トン程度)が
1km走行したときに排出する量約1グラムのすす(粒子状物質)が含まれています。このすすを人が吸い込むと、咳こんだり痰が絡むなどの症状を引き起こすほか、細かい微粒子状のものが肺の奥に入り込むことで、呼吸器系疾患を引き起こします。東京都内では、1日に、このペットボトルをすすで満杯にした状態のものが12万本分(約12トン)排出されています。

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