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クビアカツヤカミキリの被害が発生・拡大しています!

更新日

全国で特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害が拡大しており、都内でも被害が発生しています。被害の拡大防止に向け、都民の皆さんのご協力をお願いします。

繁殖力や拡散能力が高い本種の被害を食い止めるためには、何よりも早期発見・早期防除が不可欠です。東京都では、本種の生態や被害の見つけ方、防除に当たっての考え方等について解説した「クビアカツヤカミキリ防除の手引(2023年3月)」を作成しました。本手引をご活用いただき、クビアカツヤカミキリ対策の一助となれば幸いです。
これまでの作成の経緯は以下のとおりです。

<改訂履歴>
「クビアカツヤカミキリ防除指針 第1版」(2019年1月)
「クビアカツヤカミキリ防除指針 第2版」(2020年1月)
「クビアカツヤカミキリ防除の手引」  (2021年3月)
「クビアカツヤカミキリ防除の手引」  (2022年3月)
「クビアカツヤカミキリ防除の手引」  (2023年3月)

本手引きはこちらからダウンロードいただけます。

クビアカツヤカミキリとは

サクラやモモ、ウメ、スモモなどのバラ科樹木に寄生し、幼虫が樹の内部を食べて枯らしてしまう外来のカミキリムシです。
日本では2012年に愛知県で最初の被害が確認されましたが、その後、埼玉県、徳島県、群馬県など13都府県(2023年1月現在)に侵入してサクラ並木や果樹園などに大きな被害をもたらしており、2018年1月に「特定外来生物」に指定されました。

特定外来生物とは(外来生物法):環境省 日本の外来種対策 (外部サイト)

こちらもチェック!

普及啓発のポスター

クビアカツヤカミキリを見つけたら

もしクビアカツヤカミキリを見つけたら、逃がさずにその場で捕殺し、見つけた地域の区市町村(環境担当窓口)か、東京都環境局自然環境部計画課(03-5388-3506)までご連絡下さい。

※特定外来生物である本種を捕まえて、生きたまま持ち帰ることは、法律で禁止されているため、できません。飼育することや販売することなども違法です。これらの規則に対する違反には罰則が設けられています。

都内での被害確認状況

都内では2015年に福生市とあきる野市で初めて被害が確認されました。これまでの調査の結果、2019年には羽村市、昭島市、八王子市、2020年には足立区、2021年には江東区でも確認され、2区5市で被害が発生していることが分かりました。

都内における被害および成虫確認状況(2023年2月現在)

クビアカツヤカミキリの早期発見・早期防除にご協力をお願いします!

本種の被害を広げないためには、早期発見・早期防除が極めて重要です。

日頃からサクラやウメ等のバラ科樹木の観察や点検をお願いします

本種やその被害が確認されている地域やその周辺の地域では、バラ科樹木に本種被害の兆候がないか、以下を参考に、日頃から注意して観察や点検をしていただけますようお願いいたします。本種が確認されていない地域でも、サクラ等を多く植栽している場合や梅園などは注意していただくようお願いいたします。

クビアカツヤカミキリ被害の見つけ方

フラス

幼虫の活動期は4月から10月頃までで、この期間の幼虫は、「フラス」と呼ばれる食べた木屑と糞が混ざったものを、幹や枝に開けた孔(排糞孔)から盛んに排出します。
樹皮の表面や枝の分かれ目、根元などでこのフラスを見つけることが、本種の侵入を発見する重要な手掛かりになります。被害を放置してしまうと樹木がダメージを受けてやがて枯死するだけでなく、周辺への被害拡散の供給源にもなってしまいます。

排糞孔から出ているフラス
根元に堆積したフラス

脱出孔

羽化した成虫が樹の外へ出る時に使用した孔で、長径2~3センチ程度、縦長の楕円形です。
また、脱出予定孔(成虫が出る前の樹皮を薄く残した孔)を見つけることで、拡散を未然に防ぐことができます。

脱出孔
脱出予定孔(樹皮を薄く残した状態)

防除

被害を確認した場合には、被害の程度や成虫・幼虫の活動時期に応じ、速やかに適切な防除を行う必要があります。まずは当該地の区市町村(環境担当窓口)か、東京都環境局自然環境部計画課(03-5388-3506)までご連絡下さい。

防除方法の例

方法 内容
薬剤により、幼虫や成虫を殺虫する。樹種や被害の程度に合わせて様々な種類の薬剤がある。(エアーゾル方式、樹幹注入方式、散布方式など)
羽化した成虫が拡散してしまうことを、ネットにより物理的に防止する。
幼虫と成虫を直接駆除する。
最も効果的に被害を防ぐことが出来る。伐採後は焼却又はチップ化する必要がある。
ネット巻き点検の様子
被害木伐採の様子(提供:森林総合研究所)

「クビアカツヤカミキリ防除の手引(2023年3月)」(東京都環境局)

本手引は最新の被害状況に加えて防除に当たる際に、実際に現場で対応される方が見てわかりやすいものを目指して作成しました。本種の生態には未解明な点も多く、防除手法については鋭意開発が進められています。今後も新たな情報や知見が得られた場合には随時更新していく予定です。

【全文】

【分割版】

記事ID:021-001-20231206-008084