檜原・あきる野
クマタカやキビタキなどの生き物がくらし、三頭山(みとうさん)には美しいブナの林があるよ。森をハイキングしたあとは温せんも楽しめるんだ。山のめぐみをいかした農業や林業がさかんで、古くから和紙も作られているよ。
絶滅危惧種の凡例
- VU(国):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省)
- VU(都):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(東京都)
- CR(国):絶滅危惧ⅠA類(CR)(環境省)
- CR(都):絶滅危惧ⅠA類(CR)(東京都)
- EN(国):絶滅危惧ⅠB類(EN)(環境省)
- EN(都):絶滅危惧ⅠB類(EN)(東京都)
クマタカ
EN(国)・CR(都)
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 空
大きさは?
オスは約72cmくらいだよ。メスは約80cmで、トビよりもひと回り大きいよ。つばさを広げると140cm~165cmにもなるんだ。
特ちょうは?
頭の部分が黒く、せなかから体の上面はこげ茶色をしているよ。体の下面は白くて、のどの所に1本の線があるんだ。つばさの下面には、横じまのも様があるよ。
どこで見られる?
北海道から九州にかけて、山地の森林で見られるよ。海外では、中国の一部やインドの一部などでも見られるよ。
鳴き声は?
はんしょく期に「ピッピィー、ピッピィー」「ポヒィ、ポヒィ」と鳴くよ。
主な食べ物は?
エサとなる動物が通りかかるのを、木の上で待っておそいかかり、ノウサギやタヌキ、ヤマドリまでさまざまな動物を食べるよ。
もうワンポイント
日本では昔から、オオタカなどとともに、たかがりに使われる種として有名なんだ。
クマタカという名前は「大形のタカ」という意味や「力強さをクマにたとえた」などといったいわれがあるんだって。
キビタキ
季節
- 夏
場所
- 空
大きさは?
13.5cmくらいだよ。スズメよりも少し小さめだね。
特ちょうは?
オスは頭からせなかの部分が黒く、のどからおなかとこしの部分が黄色をしているよ。
黒色と黄色のコントラストがあざやかなんだ。メスは暗い黄緑色をしているよ。
何のなかま?
スズメの親せきだよ。
どこで見られる?
北海道から沖縄(おきなわ)にかけて、よくしげった森林で見られるよ。
鳴き声は?
「ピッコロ、ピッコロ」という大きな鳴き声でさえずるんだ。
主な食べ物は?
林の中を飛び交いながら、空中でこん虫類をとったり、秋には木の実を食べたりしているよ。
もうワンポイント
木にできた空洞(くうどう)などに巣をつくるよ。
コマドリ
VU(都)
季節
- 夏
場所
- 空
大きさは?
14cmくらいだよ。
特ちょうは?
オス・メスともによく似た色で、頭の部分はオレンジ色、体の上面は黒っぽいオレンジ色、むねからおなかの部分はねずみ色をしているよ。
何のなかま?
スズメの親せきだよ。
どこで見られる?
コマドリは夏鳥で、4月から9月ごろにかけて全国の山地の森林にやってくるよ。檜原(ひのはら)都民の森でも見られることがあるんだ。
鳴き声は?
「ヒンカラカラカラカラ」と馬の鳴き声に似た声で鳴くよ。
主な食べ物は?
地上を歩いてこん虫類を食べたり、植物の実を食べたりしているよ。
もうワンポイント
鳴き声が馬のいななきに似ていることから馬を意味する駒(こま)鳥と名付けられたと言われ、鳴き声が美しい日本の野鳥のベスト3に選ばれているよ。高い木の上でさえずることは少ないので、鳴き声が聞こえたら、ササなどがしげる草むらや低い木をさがしてみよう。
カタクリ
季節
- 春
場所
- 陸
大きさは?
高さ10~20cmくらいだよ。
特ちょうは?
2まいの葉の間から伸びたくきに、とても小さいユリに似た形の赤むらさき色の花を、下向きにつけるよ。
何のなかま?
ユリのなかまだよ。
どこで見られる?
北海道から九州かけて、山の林の中で見られるよ。海外では、中国の一部や朝せん半島などでも見られるよ。御前山(ごぜんやま)はカタクリの群生地(ぐんせいち)としても知られているんだ。
もうワンポイント
カタクリは、檜原(ひのはら)村の春を代表する野草だよ。御前山は標高(ひょうこう)が高いので、4月の半ばから終わりごろに花がさくんだ。晴れて地面が温まるような日に花が開き、天気の悪い日や夜間は花を閉じているよ。
シダレザクラ
季節
- 春
場所
- 陸
大きさは?
高さ5~15mくらいだよ。
特ちょうは?
あわい紅色(べにいろ)の小さな5弁の花を、枝が下に長くたれるようにさかせるよ。
何のなかま?
バラのなかまだよ。
どこで見られる?
本州から九州にかけて見られるよ。海外では朝せん半島でも見られるよ。
もうワンポイント
シダレザクラは、桜の野生種エドヒガンの枝がたれるもののことを言うよ。檜原村(ひのはらむら)は標高が高く気温が低いので、4月の1週目の終わりから3週目の頭くらいが花の見ごろだよ。檜原村のなかでも武蔵五日市駅(むさしいつかいちえき)からバスで50分ほどの「人里(へんぼり)」停留所にさくシダレザクラがとても美しく人気があるんだ。このほか「乙津(おつ)・龍珠院(りゅうしゅいん)」のシダレザクラも人気だよ。
三頭山(みとうさん)のブナ林
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 陸
大きさは?
高さ10~30mくらいだよ。幹の直径は1mほどになるんだ。
特ちょうは?
日本で林をつくる代表的な木の一つなんだ。葉がギザギザしていて、長さが4~9cmくらいあるよ。
どこで見られる?
北海道から九州にかけて見られるよ。日本以外でも温帯の北半球で見られるよ。秩父多摩甲斐(ちちぶたまかい)国立自然公園の三頭山で、東京では、とてもきちょうなブナ林が見られるよ。
もうワンポイント
東京都でまとまって残っているブナ林は、三頭山と日原川流域(にっぱらがわりゅういき)だけと言われているんだ。ブナは、春には新緑、秋には紅葉(こうよう)、冬には落葉と、季節の変化が見てとれる木なんだ。ブナの林には、ササ類が生えることが多いんだけど、三頭山のブナ林にササは少なくて、学術的にも注目されているよ。ブナ林の下の部分には、ナデシコやユリのなかまがさいているんだ。
豊かな自然や文化財(ぶんかざい)
檜原(ひのはら)・あきる野地区は、高さ9百~1千mの山地があり、秋川(あきかわ)や平井川(ひらいがわ)が流れる自然豊かなエリアだよ。このエリアは、たくさんの文化財が保ぞんされている阿伎留神社(あきるじんじゃ)とともに歴史を歩んできたんだ。たとえば、古くから伝わる獅子舞(ししまい)は、三びきの獅子でおどるもので、ここから関東に広がったと言われているよ。
山の恵み(めぐみ)をいかした農業と林業
森にかこまれた豊かな自然がのこるこのエリアでは、農業や林業がさかん。農業はジャガイモが有名でジャガイモのアイスも作られているよ。林業は建築用の材木をていきょうしているんだ。また、古くから伝わる「軍道紙(ぐんどうがみ)」という、手すき和紙も作られていて、東京都の無形文化財(むけいぶんかざい)になっているよ。軍道紙を未来へ伝えようと、「あきる野ふるさと工房(こうぼう)」では、紙すきや和紙ぞめなどを体験することができるんだって。
森のなかのハイキング
高さ1,531mの三頭山(みとうさん)や払沢の滝(ほっさわのたき)など、山や滝がたくさんあっていろいろなハイキングが楽しめるんだ。三頭山のふところには、数馬(かずま)の湯や瀬音(せおと)の湯といった温せんもあるよ。さらに、高さ1千~1千5百mには自然を身近に楽しめる「檜原(ひのはら)都民の森」があって、きちょうなブナの森の中で、木を使った工作体験もできるんだ。レストランもあるので、ハイキングの時に立ち寄ってみよう。
お問い合わせ
このページの担当は自然環境部 緑環境課 自然公園計画担当です。