利島
海から突き出た三角形の島。オオミズナギドリという渡り鳥が子育てをしに来るんだ。宮塚(みやつか)山のふもとの森には、夏にはスカシユリなどの花が咲き、光るキノコも見つかるかもしれないぞ。秋から冬は星空観察もおすすめだ。
絶滅危惧種の凡例
- VU(国):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省)
- VU(都):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(東京都)
- CR(国):絶滅危惧ⅠA類(CR)(環境省)
- CR(都):絶滅危惧ⅠA類(CR)(東京都)
- EN(国):絶滅危惧ⅠB類(EN)(環境省)
- EN(都):絶滅危惧ⅠB類(EN)(東京都)
オオミズナギドリ
季節
- 春
- 夏
- 秋
場所
- 空
大きさは?
48cmくらいだよ。
特ちょうは?
体の上面が茶色、下面が白で、オス・メス同じ色をしているんだ。
どこで見られる?
北海道から沖縄の島にいて、冬になると東南アジアへ南下する鳥なんだ。春から秋にかけて見られるよ。利島(としま)ではどこでも見られるけど、もっとも多く見られるのは島の南のエリア。このエリアはオオミズナギドリがタマゴを産む場所で、3月ごろから11月ごろまで巣をつくり、7月ごろに産らんするよ。
鳴き声は?
オスは「ピ―ウィー」、メスは「グァーア」って鳴くんだ。
主な食べ物は?
魚やイカを食べるよ。
もうワンポイント
渡り鳥(わたりどり)の一種で、飛ぶすがたがナギナタににていることから名前がつけられたよ。利島ではマトリとよばれているんだ。子育てはオスとメスが交代でおこない、どちらもタマゴをだいて温めるんだって。空や海が大好きだけど、陸の上での生活はにがてな鳥だよ。
画像提供元:利島村
ミヤマクワガタ
季節
- 夏
場所
- 陸
大きさは?
2.5~7cmくらいだよ。
特ちょうは?
大きなギザギザのあるハサミがするどいクワガタで、頭の後ろがへらのようになっているよ。夜に行動するほかのクワガタとちがって昼間でも活動しているぞ。
どこで見られる?
北海道から九州にかけて山の中で、夏に見られるよ。クヌギやコナラなどの樹えきに集まってくるんだ。
主な食べ物は?
樹えきだよ。
もうワンポイント
ミヤマクワガタは6~9月ごろに見られるよ。ちなみに、利島(としま)で生活しているクワガタには、ミヤマクワガタのほかにもコクワガタがいるよ。ミヤマクワガタよりも小さ目のコクワガタは、5~10月ごろに見られるよ。
イセエビ
季節
- 春
- 秋
- 冬
場所
- 水中
大きさは?
35cmくらいだよ。
特ちょうは?
長いしょっ角を持った大型のエビなんだ。
どこで見られる?
熱帯地いきの浅い海にすんでいるよ。昼間は岩穴などにかくれていて、夜になると獲物(えもの)をさがして活動するんだ。秋、冬から春にかけてに見られるよ。
主な食べ物は?
貝類やウニ、海そうなどを食べるよ。
もうワンポイント
敵(てき)にあったときは、尾っぽを使ってすばやく後ろへ飛ぶように動くんだ。イセエビは利島(としま)の名物で、11月ごろから3月ごろまで漁(りょう)が行われるよ。利島でとれるイセエビは大きいことが有名で、なかには600gをこえる大物がとれることもあるんだって。
画像提供元:利島村
スカシユリ
季節
- 夏
場所
- 陸
大きさは?
高さ20~80cmくらいだよ。
特ちょうは?
カップのような形のオレンジ色の花を空に向けてつけるんだ。
何のなかま?
ユリのなかまだよ。
どこで見られる?
本州の海辺に近いがけなどに生える植物。利島(としま)での花の見ごろは6~7月で、海ぞいの草地や岩場できれいな花をさかせているよ。
もうワンポイント
スカシとはすき間のことで、スカシユリの花びらと花びらにはすき間があるため、この名前が付いたんだって。スカシユリを親として別のユリが生まれることが多いから、親せきの多いユリであるとも言えるんだ。
画像提供元:利島村
サクユリ
VU(都)
季節
- 夏
場所
- 陸
大きさは?
高さは1mから大きいもので2m以上にもなるよ。
特ちょうは?
世界で一番大きいと言われるユリなんだ。花の大きさは30cmまでになるよ。
どこで見られる?
本州だよ。利島(としま)では、島のあちこちで見られるんだ。おすすめは、港を上がった住たく地の東西に広がるサクユリとツバキ畑がみどころだよ。
もうワンポイント
梅雨の時期になると、島のいろいろな場所でサクユリが大きな花をさかせ、とてもいいかおりが山の中にただようんだ。ユリの根からは、大人が大好きなお酒のサクユリ焼酎(しょうちゅう)がつくられ、すっきりとした味わいだと人気があるよ。
画像提供元:利島村
シイノトモシビダケ
季節
- 夏
場所
- 陸
大きさは?
高さ2~3cmくらいだよ。
特ちょうは?
シイの木に生えて光る小さなキノコで、暗い場所でほのかに緑色に光るよ。
何のなかま?
キノコのなかまだよ。
どこで見られる?
近畿地方から沖縄(おきなわ)にかけて、森の中のたおれた木やかれた木に生えているよ。
もうワンポイント
梅雨から初夏、しつ度の高い日の夜に、利島(としま)の山の中を歩いて探してみよう。虫よけやライトも忘れないでね。集まって生えている様子を見ると、まるで星空のよう。なお、シイノトモシビダケは食べられないキノコだよ。ぜったいに食べないよう、気をつけよう。
画像提供元:利島村
利島村郷土資料館(としまむら きょうどしりょうかん)
むかしから伝わる行事をはじめ、利島(としま)の歴史を学習したいなら、利島村郷土資料館に行ってみよう。何千年も前の縄文(じょうもん)時代に使われていた道具から今の生活道具まで、分かりやすくてん示されているよ。なかでも、東京都の文化財に指定された銅鏡(どうきょう)はぜひ見学してほしいてん示品の一つ。また、島の特産品である椿(つばき)のさいばいについてや、利島の林業、漁業についても学ぶことができるよ。
南ヶ山園地(みなみがやまえんち)
利島(としま)には、とても見晴らしのよいスポットがあるんだ。たとえば、島の南にある公園、南ヶ山園地は「新東京百景」にも選ばれているよ。天気がよい日には、伊豆諸島(いずしょとう)9島のうち5島を見わたすことができるんだ。園内には、しばふの広場やてん望台があるよ。秋から冬にかけては空気がすんでいて、美しい星空を見られることでも知られているんだ。星の観察が好きな人は、ぜひ行ってみて。
画像提供元:利島村
阿豆佐和気命神社(あずさわけのみことじんじゃ)
利島(としま)にある神社の中で、もっとも大きい神社が阿豆佐和気命神社だよ。村の人たちに氏神(うじがみ)としてあがめられ、「明神(みょうじん)さま」とよばれて親しまれてきたんだ。神社には1760年に建てられたといわれる、利島で一番古い建物があるよ。大みそかとお正月には、古くから伝わるお祭ごとが行われるよ。お正月の三が日には、「山まわり」といって3つの神社をお参りする習わしがあって、まずはじめに阿豆佐和気命神社にお参りするんだって。
画像提供元:利島村
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