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明治の森高尾の動植物

天狗

高尾山は、天狗信仰の霊山としても知られています。薬王院では、鼻の高い大天狗と、烏のくちばしを持った烏天狗の小天狗の像が立っています。高尾山の天狗は、御本尊様をお守りする随身として、開運や魔除けなど多くのご利益をもたらすとされています。高尾山が修験道の道場であることから、精進して勇猛に山中を駆け回る山伏(修験者)の姿が、空想上だけの存在だった天狗と重なって見えたのでは、ともいわれています。実物はさておき、山中至るところで、天狗の姿を見られます。

大天狗

アオバト

アオバトは全身が黄緑色で、くちばしが水色の美しいハトです。オスとメスの色は似ていますが、オスの翼には紫色の羽根があるので見分けることができます。アオバトは森林に暮らし、クヌギ、カエデ、ミズナラなどの広葉樹林の中で群れをつくって生活しています。アオバトの姿を見かけることはなかなかありませんが、「アオーアオー」という鳴き声が森から聞こえることがあります。6月頃に、小枝やつるを使って木の上に皿形の巣を作り、一度に約2個の卵を産みます。

アオバト

ヤマガラ

ヤマガラはシジュウカラ科の鳥で、「ツーツーピー」「ツーツーピー」「ニーニーニー」などと鳴きます。ドングリなどのえさを足で器用に押さえて食べます。えさを樹皮の隙間に貯えることもあります。4~5月の産卵や子育ての季節に、樹洞や巣箱にコケや樹皮、獣毛で巣を作り、ヒナを育てます。 冬は、シジュウカラやエナガ、メジロ、コゲラなどと混群を作ることがあります。

ヤマガラ

アサギマダラ

アサギマダラは、タテハチョウ科マダラチョウ亜科の仲間の蝶で、長距離を飛翔することで知られています。ほぼ日本全国に分布しているため、高尾山周辺でも観察できます。成虫は、春から夏にかけて南から北へ移動し、移動先で世代を重ねた後、秋になると南へ移動します。高尾山では、5~10月に最もよく見られます。

アサギマダラ

タゴガエル

タゴガエルは、山地の森林や渓谷などを住みかにするカエルです。体の色はかなり個体差が激しく、黄土色から赤褐色に近いものまで様々です。昆虫やクモ、陸上で生活している貝類などを主食としています。3~4月頃が繁殖期で、川や沢の岩の間から「ガガ、グウグウ」と低い鳴き声が聞こえます。ほかのカエルに比べて大きめの卵を産み、ふ化したオタマジャクシは卵黄の栄養だけで成長して、カエルとなって陸へと上がります。名前は、明治時代の著名な両生類学者である田子勝弥氏にちなんでいます。

タゴガエル

ムササビ

ムササビは飛膜を広げて滑空する夜行性のリス科のほ乳類で、主に樹上で生活をしています。成獣の全長は34~48cmで、体重は約1.2kgほどです。豊かな自然が残されている自然公園は、雑木林や植林地など多様な森が存在することから、ムササビが多数生息する貴重な場所になっています。夜にムササビを観察する際は、赤色のライトを使うなど、ムササビを驚かさないよう配慮してください。

ムササビ

タカオスミレ

「スミレの聖地」と呼ばれる高尾山では、国定公園内だけでも18種類ものスミレが記録され、雑種や花や葉の色変わりの品種を加えると、40種類以上のスミレが生息しています。中でも高尾山で最初に見つかり、高尾の名前を持つスミレが「タカオスミレ」です。ヒカゲスミレの変種で、本来緑色の葉の表面がこげ茶色をしているところが特徴です。開花時期は、4月中旬~下旬です。

タカオスミレ

ヤマユリ

ヤマユリは日本特産のゆりで、山地や丘陵の林のふち、傾斜地などに生える多年草です。関東から東海地方に掛けて特に多く見られます。高さは、1~1.5mにもなり、むせかえるような芳香のある大きな花をつけます。高尾山では、7月の上旬に咲きはじめ、中旬に見頃を向かえます。ヤマユリは、一つの株に数個から多いもので十数個ものつぼみをつけます。高尾山では1号路、稲荷山コース、一丁平で見ることができます。

ヤマユリ

イヌブナ

イヌブナは、高尾山を代表する落葉高木です。高尾山の北向き斜面の上部には、イヌブナを中心にブナ、アカシデ、ホオノキなどの落葉広葉樹林が広がっています。ブナと比べて樹皮の色で白っぽいものを「シロブナ」、黒っぽいものを「クロブナ」と呼ぶことがあります。幹の太さは50〜70cmで、開花の時期は4~5月です。イヌブナの実は多く見られますが、大きく育つことはほとんどありません。葉が開くのと同時に雄花の穂が新しい枝の下に垂れ下がり、雌花は枝の上部につき、秋には三角形の実をつけます。

イヌブナ

シモバシラ

シモバシラは、高さ40~70cmほどのシソ科の植物で、山地の木陰などに生える多年草です。9~10月に白い穂状の花を咲かせます。冬の時期、地上部の茎は枯れてしまいますが、茎の中の水分が凍って膨張し、茎を破って氷の花を咲かせたようになる姿から、「シモバシラ(霜柱)」の名が付けられました。氷の花は、高尾山では12中旬~2月に見ることができます。

シモバシラ

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このページの担当は自然環境部 緑環境課 自然公園計画担当です。

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