南硫黄島自然環境調査
南硫黄島自然環境調査について
南硫黄島(みなみいおうとう)は、急峻な地形や自然環境の厳しさから人が定住したことがなく、小笠原諸島で最も原生の自然が保たれている島で、自然環境保全法で立ち入りが禁止され、また文化財保護法で島自体が天然記念物として手厚く守られています。
東京都は、平成19年6月に小笠原諸島の世界自然遺産登録に向けて、遺産としての価値を証明するため、南硫黄島の自然環境調査を首都大学東京と連携して実施しました。これは昭和57年に環境庁(現環境省)が実施して以来、25年ぶりの調査でした。
また、平成29年6月に10年ぶりに、東京都は首都大学東京及び日本放送協会(NHK)との共同研究で自然環境調査を実施しました。今回は、植物、鳥類、昆虫、陸産貝類などの調査を実施するとともに、立ち入れるルート以外はドローンを使った空撮による記録調査を行い、結果速報の発表を行いました。
南硫黄島は、熱帯・亜熱帯性の植生、海蝕地形や海鳥の生息に特徴があります。また、急峻な地形や自然環境の厳しさから、小笠原で唯一、人為の影響を受けていない島です。このため、自然環境保全法により原生自然環境保全地域に指定されるなど、手厚く保護されています。
平成19年の調査では、動植物や地質の現況について調査するとともに、種の分化・進化の過程を研究するためのサンプルも多数採取しました。
平成29年の調査では、未調査分野(陸生甲殻類、土壌動物、菌類、地衣・蘚苔類)の把握、10年間での自然環境及び生物相の変化の把握、原生自然環境における種間関係の把握、ドローンを利用した空撮などを行いました。
南硫黄島基本情報
面積354ヘクタール、周囲約7.5キロメートル、標高916メートル。小笠原諸島父島から約330キロメートルの距離
自然環境保全法による原生自然環境保全地域に1975年指定(国立公園区域除外)
文化財保護法による国の天然記念物(天然保護区域)に1972年指定
土地は国有林、小笠原諸島森林生態系保護地域に2007年設定
平成29年調査資料(リンク)
平成29年調査プレス発表資料(平成29年9月)(外部サイト)
平成19年調査速報資料(PDFファイル)
平成19年調査速報に学術的に詳細な分析を加え、政府がユネスコに提出する「世界自然遺産登録推薦書」に盛り込み、平成23年に世界自然遺産に登録されました。
南硫黄島全景(北側)2007年6月
南硫黄島までの道のり
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