赤潮とは?

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水中に生存している微細な生物(特に植物プランクトン)が異常に増殖し、水の色が著しく変わる現象です。水の色は原因となるプランクトンによって異なり、赤褐色、茶褐色などの色を呈します。赤潮の原因としては窒素、りんの増加に伴う水域の富栄養化、陸水や降雨による塩分低下等の物理的刺激などの説があります。赤潮が起きると環境水塊が急変するため、その水域の生物に被害を与えることがあります。毒性を持つプランクトンも存在するため、特に養殖を行っている瀬戸内海などでは大きな被害をもたらすこともあります。
東京都内湾では、赤潮の年間発生日数は、ここ数年は夏季を中心に90日程度で推移しています。

赤潮発生の仕組み

東京湾には、植物の栄養となる窒素やりんがたくさん溶け込んでいます。春から秋にかけて、日照時間が長くなり気温が上がると、海水の中の植物プランクトンや、それを捕食する動物プランクトンが増殖します。プランクトンが異常に繁殖することで海水が濁り、赤潮が発生します。また、有毒なプランクトンによる赤潮は、魚や貝類を死に至らしめることがあります。

植物プランクトンは、日光が当たると海の汚れを栄養分として、増殖します。

赤潮判定基準(東京都)

赤潮とは、一般には「海水中で浮遊生活をしている微小な生物(主に植物プランクトン)が、突然、異常に繁殖して、このため海水の色が変わる現象」の視覚的な慣習的呼称です。しかし、これでは赤潮の判定基準として明確であるとは言えません。そこで東京都としては、次の基準を満足する場合に赤潮と判定し、赤潮の発生状況を把握しています。

  • 海水が、茶褐、黄褐、緑色などの色を呈していること。
  • 透明度が、おおむね1.5m以下に低下していること。
  • 顕微鏡下で赤潮プランクトンが多量に存在しているのが確認できること。
  • クロロフィル濃度(Lorenzen法によるクロロフィルaとフェオ色素の合計)が50mg/m3以上あること。ただし、動物プランクトン等クロロフィルを有さないものはこの限りではない。

赤潮の発生回数は次の基準により数えました。

  • 地点間および継続期間中のプランクトン群の種類組成がおおむね同一の場合、1回としました。継続期間中、透明度やクロロフィル濃度が上記の基準を若干下回ることがあっても赤潮が継続しているとみなし、1回としました。なお、赤潮優占プランクトン種を決定する際、同一赤潮内で地点あるいは期間により第一優占種が異なる場合には、総合的に判断して優占種を決定しました。
  • 長期的かつ広域的な大規模赤潮も、短期的かつ局所的な小規模赤潮も、回数はともに1回としました。
  • 同一日時でも、場所によって明らかにプランクトン群集の種類組成が異なっている場合は、別個の赤潮としました。

※注意事項上記赤潮判定基準は、東京都独自のものです。

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